GDPは「国内で生まれた儲けの合計」

GDP(国内総生産)は、国の中で1年間に新しく生み出された付加価値の合計です。付加価値とはざっくり「儲けのもと」のこと。

パン屋さんで考えましょう。100円の小麦粉を仕入れて300円のパンを焼いて売ったら、新しく生んだ価値は差額の200円。この「差額」を、国中のパン屋も自動車工場も美容室もぜんぶ合計したものがGDPです。国民が働いて生み出した成果の総量、つまり国の経済の成績表にあたります。

GDP = 国内で生み出された付加価値(売上 − 仕入れ)の合計

名目と実質 — 物価のかさ上げを取り除く

GDPには2種類あります。名目GDPはその時の値段で測ったそのままの数字。実質GDPは、物価の上昇分を取り除いた数字です。

パンの値段が2倍になれば、売れる個数が同じでも名目GDPは膨らみます。それは経済が成長したのではなく、ただの値上がり。だから「経済が本当に成長したか」を見るときは実質GDP成長率を使います。ニュースの「GDP速報、年率換算で+1.2%」といった数字は、通常この実質のほうです。

GDPと株価 — 長期では友達、短期では他人

長い目で見れば、経済が成長する国の株式市場は上昇しやすい——GDPと株価は友達です。ところが短期では、GDPが弱いのに株が上がる、強いのに下がる、というズレが頻繁に起きます。

理由は3つ。① 株価は未来を先取りする(発表されるGDPは過去の数字)。② 上場企業は海外でも稼ぐ(国内GDPが弱くても海外事業で成長できる)。③ 悪いニュースが金融緩和期待に化ける(景気が弱い→中央銀行が助けに来る→株高)。「景気が悪いのに株高」という一見不思議な現象は、だいたいこの3つで説明できます。

発表スケジュール日本のGDPは四半期ごとに内閣府が発表(速報は期末の約1ヶ月半後)。数字そのものより「事前予想と比べてどうだったか」で市場は動きます。

投資家としてのGDPの使い方

個別株の売買判断にGDPを直接使う場面は、実はあまりありません。役立つのはもっと大きな判断です。たとえば国際分散投資で「成長する経済圏に資産を置く」という発想。人口が増え、GDPが伸び続ける国・地域の市場は、長期投資の土壌として肥沃です。

全世界株型の投資信託が人気なのは、この「世界全体のGDP成長にまるごと乗る」思想の実装だからです。国の成績表は、個別の銘柄選びより、資産の置き場所選びに効く——これがGDPとの上手な付き合い方です。

まとめ

GDPは国内で生まれた付加価値の合計で、経済の成績表。実質と名目の区別、そして「長期では株価と友達、短期ではズレる」という関係がポイント。個別株より、どの経済圏に資産を置くかという大きな判断に活かしましょう。

あわせて読みたい