個人投資家と機関投資家

私たち一人ひとりは個人投資家。対して、年金基金・保険会社・投資信託の運用会社・ヘッジファンドなど、巨額の他人のお金を運用するプロの組織が機関投資家です。

その規模はケタ違いで、日本の公的年金を運用するGPIFは資産200兆円超という世界最大級の機関投資家。市場では「クジラ」と呼ばれ、彼らがひと泳ぎ(売買)するだけで株価は大きく波打ちます。多くの銘柄で、日々の売買の主役は個人ではなく機関投資家なのです。

日本株の主役は「海外投資家」

日本株にはもうひとつ重要な登場人物がいます。海外投資家です。東証の売買代金のおよそ6〜7割を占め、日本株の需給を事実上握っています。

「海外勢が日本株を買い越し→相場上昇」「海外勢の売り越しが続く→軟調」は市況解説の定番フレーズ。彼らは日本を世界の投資先のひとつとして冷静に比較しているので、円相場・米国金利・日本企業の資本効率(ROEやPBR改革)への評価が、そのまま日本株全体の追い風・向かい風になります。

投資部門別売買状況東証は毎週、「海外投資家が○億円買い越し、個人が○億円売り越し」という投資部門別売買状況を公表しています。誰が買って誰が売ったかが毎週わかる、市場の勢力図データです。

ブルとベア — 相場の強気・弱気のことば

市場の登場人物は、スタンスでも呼び分けられます。相場の上昇を見込む強気派がブル(雄牛)、下落を見込む弱気派がベア(熊)。牛が角を下から上へ突き上げ、熊が腕を上から下へ振り下ろす攻撃姿勢が由来とされます。

上昇が続く相場をブル相場(強気相場)、下落が続く相場をベア相場(弱気相場)と呼び、「ブル型・ベア型」と名の付く投資信託(指数の2倍上がる/下がると儲かる等)まであります。ニュースで「ベアマーケット入り」と言えば、直近高値から20%下落が一般的な目安です。

個人投資家の意外な強み

クジラだらけの海で、個人は不利なのでしょうか。実は個人ならではの強みがあります。① 時間: 機関投資家は四半期ごとに成績を問われますが、個人は何年でも待てます。② 身軽さ: 小型株にも少額で機動的に出入りできます。③ 売らなくていい自由: 顧客の解約で強制的に売らされることがありません。

プロと同じ土俵(短期売買)で戦えば分が悪くても、時間を味方につける長期投資なら、個人はクジラに勝てる——これが多くの名投資家が説いてきた結論です。

ポイント機関投資家の動きは「逆らう相手」ではなく「読む材料」。海外勢の売買動向や機関の保有報告は公開情報です。クジラの泳ぐ方向を眺めつつ、自分は自分の時間軸で泳ぎましょう。

まとめ

市場の主役は年金・保険などの機関投資家(クジラ)と、東証売買の6〜7割を占める海外投資家。強気はブル、弱気はベア。個人の武器は時間と身軽さと売らない自由——プロの土俵ではなく、長期の土俵で戦うのが個人の勝ち筋です。

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