債券は「借用書」の金融商品
債券は、国や会社が「お金を貸してください。利子を払って、満期には全額返します」と発行する借用書のような商品です。国が発行すれば国債、会社なら社債。満期まで持てば額面どおりのお金が戻り、その間は定期的に利子を受け取れます。
株との根本的な違いは立場です。株主は会社のオーナーで、儲けの上限はないけれど、業績次第で配当も株価もゼロに近づき得る。債券の保有者は貸し主なので、もらえるのは決まった利子まで。その代わり、発行体が破綻しない限り満期に元本が返ってくる、という手堅さがあります。
金利と債券価格のシーソー
債券は満期まで持たずに途中で売買もでき、その価格は日々動きます。ここで覚えるべき大原則がひとつ。市場の金利が上がると、すでに発行された債券の価格は下がる(逆もまた然り)というシーソーの関係です。
理由はシンプルで、年1%の利子の債券を持っているときに、新しく年2%の債券が発行されたら、古い1%の債券は見劣りして買い手がつかなくなるから。値下げしないと売れない、というわけです。「利上げ局面では債券価格は逆風」——このシーソーは金融ニュースの頻出テーマです。
リスクの物差しは「貸した相手」
債券のリスクは、貸した相手が返せるかどうか(信用リスク)で決まります。日本国債や米国債はもっとも手堅い部類。大企業の社債はそれに次ぎ、財務の危うい会社ほど高い利回りを付けないとお金を借りられません。
つまり債券の世界でも「高利回りには理由がある」が鉄則。利回りの高さは、貸し倒れリスクの値段なのです。発行体の信用力はS&Pやムーディーズなどの格付け(AAA〜)で確認できます。
ポートフォリオでの役割 — 暴落時のクッション
債券の真価は、株が暴落したときに発揮されます。株式市場がパニックになると、お金は安全資産である国債へ逃げ込み、債券価格はむしろ上がることが多い。株と債券を両方持っていれば、資産全体の振れ幅がならされるのです。
「株式60%・債券40%」は世界の年金運用でも使われてきた伝統的な配分。若くてリスクを取れる人は株の比率を高く、リタイアが近い人は債券を厚く——年齢や性格に応じてこの比率を調整するのが、資産運用の王道です。
まとめ
債券は貸す側の投資で、利子と満期返金が基本設計。金利と価格はシーソーの関係、高利回りは信用リスクの裏返し、そして暴落時のクッションがポートフォリオでの役割。株と債券は、攻めと守りの名コンビです。