有利子負債ってなに?
有利子負債(ゆうりしふさい)は、その名の通り利子を払って借りているお金のこと。銀行からの借入金、社債(会社が発行する債券)、リース債務などが含まれます。
BSの負債には、買掛金(仕入代金のツケ)や未払い費用など利子のつかないものも多く含まれます。倒産リスクや金利負担を考えるとき本当に問題になるのは利子付きの借金だけなので、投資家は負債全体ではなく有利子負債を取り出して見るのです。
借金は「テコ」— 使い方しだいで良くも悪くも
借金と聞くと悪いイメージがありますが、企業経営では話が別です。年5%で借りたお金で年15%稼げる事業に投資できるなら、借りるほど株主の利益は増えます。これがレバレッジ(テコ)の効果で、ROEが借金で高まるカラクリの正体でもあります。
実際、鉄道や電力のように安定収入のある事業は、大きな借金で設備を作るのが合理的です。逆に、業績の波が激しい事業が大きな借金を抱えると、不況時に利払いが重くのしかかり、命取りになります。つまり借金の良し悪しは、金額ではなく事業の安定性とのバランスで決まるのです。
健全さを測る3つの物差し
① 現金との比較: 手元の現金・預金が有利子負債より多ければ実質無借金。いつでも完済できる状態で、財務の心配はほぼ不要です。
② DEレシオ(有利子負債 ÷ 自己資本): 1倍以下なら健全圏が目安。自前のお金より借金が多い(1倍超)状態が続く会社は、金利上昇に弱くなります。
③ 稼ぎとの比較(有利子負債 ÷ 営業CF): 借金が年間の営業キャッシュフローの何年分かを見る物差し。10年分を超えるようだと、返済能力に対して借りすぎのサインです。
金利が上がる局面では、この見きわめの重要度が一段と増します。低金利時代は問題なかった借金の山が、借り換えのたびに利払いを膨らませて利益を圧迫するからです。
まとめ
有利子負債は利子付きの借金で、事業の安定性に見合っていれば成長のテコになる。実質無借金・DEレシオ1倍以下・営業CF比などで「量と質」を確認。借金を一律に嫌うのではなく、使いこなせているかを見るのがプロの目線です。