黒字・赤字ってなに?

利益がプラスなら黒字、マイナスなら赤字。言葉の由来は昔の簿記の習慣で、帳簿にプラスを黒いインク、マイナス(損失)を赤いインクで書いたことから来ています。英語でも赤字はin the red、まったく同じ発想です。

ここで思い出したいのが、PLには5つの利益があったこと。つまり「赤字」と一口に言っても、どの段階の利益がマイナスなのかで意味がまるで違うのです。ニュースの見出しだけでは、そこが分かりません。

赤字の深刻度を3段階で見分ける

① 最終赤字(純利益がマイナス): のれんの減損や工場の閉鎖損など一時的な特別損失が原因なら、本業は無傷のことも多い。「膿を出し切って翌年V字回復」はよくあるパターンで、過度に怖がる必要はありません。

② 経常赤字: ふだんの活動全体で損をしている状態。一時要因では説明できず、深刻度は上がります。

③ 営業赤字: 本業そのものが儲かっていない、いちばん重い赤字。これが2〜3年続く会社は、ビジネスモデル自体に問題を抱えている可能性が高く、投資対象としては大きなマイナスです。

つまりチェックの順番は「営業利益は黒字か?」から。最終赤字のニュースを見たら、営業利益まで遡って確認するクセをつけましょう。

同じ「最終赤字100億円」でもA社: 営業利益+300億円、のれん減損▲400億円で最終赤字 → 本業は絶好調、来期は回復濃厚。B社: 営業利益▲100億円で最終赤字 → 本業が沈んでいる。深刻なのは圧倒的にB社です。

「良い赤字」と「危ない黒字」もある

話をもう一歩進めると、赤字が戦略のこともあります。急成長中の若い会社が、広告や開発に利益以上のお金を注ぎ込んで市場を取りに行く「先行投資型の赤字」です。米国のアマゾンが長年赤字でも成長を優先したのは有名な話。この場合、売上が力強く伸びているか、いずれ黒字化する道筋があるかが評価のポイントになります。

逆に危ないのは、黒字なのに現金が減り続けている会社(黒字倒産のリスク)や、資産売却でかろうじて黒字を作り続けている会社です。黒字・赤字の色分けだけでは、会社の実態は判定できません。損益計算書とキャッシュフロー、両方の目で見ることが大切です。

危険サインの組み合わせ「営業赤字が2期以上」+「営業CFもマイナス」+「自己資本比率が低下中」——この3つが揃ったら、どんなに株価が安くても手を出さないのが賢明です。

まとめ

黒字・赤字は帳簿のインクの色が由来。赤字は「どの利益がマイナスか」で深刻度が変わり、営業赤字がいちばん重い。一時損失による最終赤字や先行投資型の赤字は過度に恐れず、営業利益とキャッシュフローで実態を確かめる——これが赤字ニュースに振り回されないコツです。

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