2つの分析法: 中身を見るか、値動きを見るか

株の分析法は大きく2つに分かれます。ファンダメンタルズ分析は、業績や財務など会社の中身から「本来の価値」を見積もる方法。PERやROEを使うバリュー投資はこちらの代表です。

テクニカル分析は、チャート(値動きのグラフ)の形やパターンから、これからの値動きを予想する方法。会社の中身は見ずに、「市場参加者がどう動いているか」だけに注目します。

健康診断で例えるなら、ファンダは血液検査で体の中身を調べること、テクニカルは顔色や歩き方から調子を読むこと。どちらか一方が正解ではなく、見ているものが違うのです。

なぜ「絵」で未来がわかる(ことがある)のか

チャートは過去の記録にすぎないのに、なぜ参考になるのか。理由は、チャートには世界中の投資家の心理と行動が刻まれているからです。「あの値段まで戻ったら売りたい」「みんなが買い始めたら乗り遅れたくない」——こうした人間心理は時代が変わっても繰り返されます。

さらに、多くの人が同じチャートを見て同じ判断をすると、予想が現実になる自己実現の性質もあります。「この線を超えたら買い」と大勢が考えていれば、実際にそこで買い注文が集まるわけです。

万能ではないテクニカルのサインは外れることも日常茶飯事です(ダマシと呼びます)。決算や大ニュースの前ではパターンが簡単に崩れます。「当たりやすい傾向」程度に構えるのが健全です。

すべての基本は「トレンド」

テクニカル分析の出発点はトレンド=株価の大きな流れです。上がり続ける上昇トレンド、下がり続ける下降トレンド、一定の範囲を行き来する横ばい(レンジ)の3種類しかありません。

相場格言に「トレンドは友達(Trend is your friend)」とあるように、流れに逆らわないのがテクニカルの基本姿勢。下降トレンドの株を「安くなったから」と急いで買うより、下げ止まって流れが変わるのを確認してからでも遅くない、という考え方です。

長期投資家のテクニカル活用法

このサイトの軸であるバリュー投資では、「何を買うか」はファンダメンタルズで決めます。ではテクニカルは無用かというと、そうではなく「いつ買うか」の補助として使えます。

ファンダで選んだ割安株が下降トレンドの真っ最中なら、少し待つか、時期を分けて買う。上昇トレンドに転換したのを確認してから買い増す。こんな使い方なら、テクニカルは長期投資の味方になります。主役はあくまで会社の中身、テクニカルは名脇役——この関係を忘れないことが大切です。

学ぶ順番①ローソク足と移動平均線(チャートの読み方)→ ②支持線・抵抗線(値段の節目)→ ③RSIなどの指標(過熱感)。それぞれ詳しい記事を用意しています。

まとめ

テクニカル分析は投資家心理の足あとであるチャートから先を読む技術。自己実現で機能することもあるがダマシもある。基本はトレンドに逆らわないこと、そして長期投資では「いつ買うか」の補助役として使うのが賢い付き合い方です。

あわせて読みたい