どんな本?

「売上2倍を目指す」はただの願望であって戦略ではない——戦略論の世界的大家が、良い戦略の核(診断・基本方針・行動)を示し、世にはびこる「悪い戦略」の特徴を容赦なく斬っていく本。企業の戦略を採点する物差しが手に入ります。

本書の「悪い戦略」の定義は痛烈です。空疎なスローガン、困難な問題からの逃避、目標を戦略と勘違いする、寄せ集めの施策リスト——読みながら、実在企業の中期経営計画がいくつも頭に浮かぶはずです。対する良い戦略は「診断(何が本当の課題か)→基本方針(どう取り組むか)→一貫した行動」という背骨を持ち、やらないことが明確です。

投資家としての使い方は明快で、この物差しを決算説明資料やIR資料に当てるだけです。「売上1兆円を目指す」としか書かれていない計画と、「課題は◯◯で、だから◯◯に集中し、◯◯は撤退する」と書かれた計画。どちらの会社に資金を託すべきかは自明でしょう。数字の分析(ファイナンス)と対をなす、経営の質を見る目を鍛えてくれる1冊です。

この本で学べること

  • 良い戦略の3要素「診断・基本方針・一貫した行動」
  • 悪い戦略の4つの特徴(空疎なスローガン・目標と戦略の混同など)
  • 投資先の中期経営計画を批判的に読むための視点
編集部のひとこと読後は決算説明資料の見え方が変わります。「何を課題と診断し、何を捨てたか」が書かれていない計画は、戦略ではなく願望です。

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