どんな本?
優れた戦略は個別の打ち手の寄せ集めではなく、部分では非合理に見えて全体では合理的な「一貫したストーリー」である——スターバックスやアマゾンなどの事例で戦略の本質を解き明かした、日本の経営書では異例のベストセラーです。
「戦略とは違いをつくって、つなげること」。本書の定義はシンプルですが、核心は「つなげる」のほうにあります。個々の打ち手は競合に真似されても、打ち手同士のつながり=ストーリー全体は真似できない。しかも優れたストーリーには、部分だけ見ると非合理に見える一手(キラーパス)が組み込まれているため、賢い競合ほど真似しない——この論理が、持続的な競争優位の正体を説明してくれます。
長期投資家にとって、これはバフェットの言う「堀(モート)」を見抜く技術そのものです。スターバックスの直営方式やアマゾンの低価格戦略など、有名企業の「一見非合理」が読み解かれていく事例パートは、そのまま銘柄分析の練習問題になります。気になる会社について「この会社のキラーパスは何か?」と問う習慣がつけば、この本の元は十分に取れています。
この本で学べること
- 打ち手の「箇条書き」ではなく「つながり」で戦略を見る視点
- 一見非合理なのに全体では合理的な「キラーパス」という概念
- 長期投資で最重要の「持続的な競争優位」がどこから生まれるか
編集部のひとこと500ページ超ですが語り口は軽快。読み終わると、投資先について「何をやっている会社か」ではなく「なぜ勝てるのか」を語りたくなります。
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