ジュニアNISAとは? — 2023年末で新規投資が終了した未成年版NISA

ジュニアNISAは、未成年の子ども名義で株や投資信託に投資でき、利益が非課税になる制度でした。2016年に始まり、年間80万円までの投資枠がありましたが、「子どもが18歳になるまで原則引き出せない」という使い勝手の悪さから利用が伸びず、制度としては廃止が決定。新規の口座開設は2023年9月末、新規の投資は2023年12月末で終了しました。

つまり2026年現在、ジュニアNISAで新しく投資を始めることはできません。これから子ども名義の非課税投資を考えるなら、2027年1月に始まる後継制度「こどもNISA」が受け皿になります(くわしくは後半で解説します)。

一方で、「もう終わった制度」と放置するのは早計です。すでにジュニアNISA口座で投資していた分は、制度終了後も子どもが18歳になるまで非課税のまま保有を続けられる仕組みが用意されています。口座を持っている家庭にとっては、ここからの扱いを知っておくことがむしろ本番です。

持っている資産はどうなる? — 18歳まで非課税で持ち続けられる

ジュニアNISAで買った株や投資信託は、5年間の非課税期間が終わると「継続管理勘定」という専用の置き場所に自動的に移され、そこで引き続き非課税で保有できます。この継続管理勘定で保有できるのは、口座の名義人である子どもが1月1日時点で18歳である年の前年末まで。ざっくり言えば「18歳(成人)になるまで非課税のまま持ち続けられる」ということです。

注意したいのは、継続管理勘定は「保有専用」だということです。新しく買い増すことはできず、投資信託の分配金を再投資することもできません。売ることはいつでもできますが、売って空いた枠で何かを買うこともできません。文字どおり、持ち続けるだけの場所です。

18歳を迎えると、継続管理勘定の資産は課税口座(特定口座など)へ移されます。このとき大事なのが取得価額の扱いです。課税口座へ移るときは、移管時の時価が新しい取得価額になります。たとえば40万円で買った投資信託が80万円に値上がりしていた場合、値上がり分の40万円には課税されず、「80万円で買ったもの」として課税口座に引き継がれます。ジュニアNISA期間中の利益は、しっかり非課税のまま確定するわけです。

なお、子どもが18歳になると、多くの金融機関では同じ金融機関に大人の新NISA口座が自動的に開設されます。ただし、ジュニアNISAで持っていた商品をそのまま新NISA口座へ移すこと(ロールオーバー)はできません。新NISAで運用を続けたい場合は、いったん売却・払出しをしてから、新NISA口座で買い直す形になります。

ポイントジュニアNISAの資産は18歳まで非課税で持ち続けられ、18歳時点の値上がり益には課税されません。基本戦略は「何もせず持ち続ける」でOK。ただし買い増し・分配金再投資はできないため、追加の積立は親の新NISAや2027年からのこどもNISAで行うことになります。

途中で引き出せる? — 2024年から「全額払出し」なら非課税でOKに

ジュニアNISA最大の不評ポイントだった「18歳まで引き出せない」縛りは、制度終了にあわせて撤廃されました。2024年以降は、子どもが18歳未満でも、理由を問わず非課税のまま引き出せます。過去の利益や配当にさかのぼって課税されることもありません。

ただし条件がひとつあります。一部だけを引き出すことはできず、口座にある金融商品をすべて払い出したうえで、ジュニアNISA口座自体を廃止する必要があります。「教育費で30万円だけ必要だから一部売却して出金」という使い方はできません。全部出すか、全部置いておくかの二択です。

この条件があるため、途中払出しを考えるときは「本当に全額必要か」を一度立ち止まって考える価値があります。口座を廃止すれば、残りの期間の非課税メリットは消えます。18歳まで非課税で運用を続けた場合の価値と、いま現金化する必要性をてんびんにかけて判断しましょう。

払出しは「全部+口座廃止」がセットジュニアNISAの中途払出しは全額一括のみ。一部だけの引き出しはできず、払い出すと口座は廃止され、元に戻せません。教育資金の一部が必要なだけなら、他の資金源と比較してからでも遅くありません。

ジュニアNISA口座がある家庭の選択肢は3つ

ここまでを整理すると、ジュニアNISA口座に資産が残っている家庭の選択肢は次の3つです。

ジュニアNISA資産の3つの選択肢
選択肢内容向いているケース
① 18歳まで持ち続ける何も手続きせず、継続管理勘定で非課税運用を継続。18歳で課税口座へ移管(含み益は非課税確定)当面使う予定がない場合の基本戦略。長期運用の恩恵を最大化できる
② 全額払い出して現金化全商品を売却・払出しし、口座を廃止。2024年以降は年齢・理由を問わず非課税教育費などでまとまった資金が必要になった場合
③ 払い出して別の非課税枠で再投資いったん現金化し、親の新NISA枠や2027年からのこどもNISAで買い直す追加の積立も含めて子どもの資産づくりを続けたい場合

後継制度「こどもNISA」— 2027年1月スタート

「ジュニアNISAが終わって、子ども名義の非課税投資はできなくなった」という状況は、2027年に変わります。2025年末に閣議決定された税制改正により、NISAの年齢制限(18歳以上)が見直され、2027年1月から0〜17歳の子どもでもNISA口座を開けるようになります。いわゆる「こどもNISA」です。

制度の中身は、大人の新NISAのつみたて投資枠の子ども版というイメージです。年間投資枠は60万円で、投資できるのは金融庁の基準を満たした低コスト投資信託(つみたて投資枠の対象商品)のみ。18歳未満の間の非課税保有限度額は600万円とされています。個別株も買えた年80万円のジュニアNISAと比べると、枠は小さく、対象商品は積立向けに絞られた設計です。

ジュニアNISAからのいちばん大きな改善は、18歳になったときの扱いです。こどもNISAの資産は、18歳になると手続きなしで大人のNISAへ自動的に移行し、非課税運用がそのまま続きます。ジュニアNISAのような「課税口座に払い出されて終わり」ではなく、0歳から大人まで切れ目なく非課税運用をつなげられる設計になりました。

一方で、途中の払出しには一定のルールが設けられる見込みです。報道や解説では、12歳以降は教育費などの目的での払出しが認められる方向とされていますが、年齢や使いみちによる細かい条件は金融機関によって案内が出そろっていない部分もあります。口座開設を検討する際は、金融庁や各証券会社の最新の案内で確認してください。

ジュニアNISAとこどもNISAの違い
項目ジュニアNISA(終了)こどもNISA(2027年1月〜)
対象年齢0〜17歳0〜17歳
年間投資枠80万円60万円
投資対象株式・投資信託などつみたて投資枠対象の投資信託のみ
非課税限度額最大400万円(80万円×5年)18歳未満の間は600万円
18歳になったら課税口座へ移管(新NISAへは移せない)大人のNISAへ自動移行し非課税継続
途中の払出し現在は全額払出し+口座廃止なら可条件付きで可とされる(細則は要確認)

子どもの資産づくり、2026年の現実解

最後に、「子どものためにお金を育てたい」という目的に立ち返って、今できることを順番に整理します。

まず優先したいのは、親自身の新NISA枠です。大人の新NISAは年間360万円・生涯1,800万円と枠が大きく、いつでも引き出せて、使いみちも自由です。「子ども名義」にこだわらなければ、教育費の準備は親のNISA口座での積立で十分に対応できます。子ども名義の口座は、お金に色をつけて管理しやすくする手段であって、非課税メリット自体は親の枠でも同じように得られます。

そのうえで、2027年からのこどもNISAは「子ども自身の長期資産」をつくる枠として有力です。0歳から年60万円を積み立てれば、18歳までの非課税運用期間を最大限使えます。複利の効果は期間が長いほど効くため、子どもの口座は大人以上に長期投資との相性が良い、という点は覚えておいて損はありません。

なお、こどもNISAに入れるお金は実質的に親や祖父母からの贈与になりますが、贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、年60万円の積立なら通常は贈与税の心配はいりません(他の贈与と合算して110万円を超える場合は注意が必要です)。

ジュニアNISA口座に資産がある家庭は、「既存分は18歳まで非課税で寝かせる、新規の積立は親の新NISA+2027年からこどもNISA」が基本の組み立てになります。

まとめ

ジュニアNISAは2023年末で新規投資が終了しましたが、口座の資産は18歳になるまで非課税で持ち続けられ、18歳時点で含み益に課税されることもありません。2024年からは、全額払出し+口座廃止を条件に、18歳を待たずに非課税で引き出すことも可能になりました。

そして2027年1月、年60万円・つみたて投資枠型の「こどもNISA」が始まり、子ども名義の非課税投資が復活します。18歳で大人のNISAに自動移行する、ジュニアNISAの弱点を解消した設計です。

NISA制度全体の仕組みや、積立に使う投資信託の選び方は、新NISAの記事とインデックス投資の記事でくわしく解説しています。子どもの口座の前に、まず親の枠から固めていきましょう。

よくある質問

ジュニアNISAはもう使えないのですか?

新規の口座開設・新規の投資はできません(口座開設は2023年9月末、投資は2023年12月末で終了)。ただし、すでに口座で保有している株や投資信託は、子どもが18歳になるまで「継続管理勘定」で非課税のまま持ち続けられます。制度は終了しましたが、既存の資産の非課税運用は続いています。

ジュニアNISAの資産は18歳になるとどうなりますか?

継続管理勘定での非課税保有が終わり、課税口座(特定口座など)へ移管されます。移管時の時価が新しい取得価額になるため、それまでの値上がり益には課税されません。多くの金融機関では18歳になると大人の新NISA口座が自動開設されますが、ジュニアNISAの商品をそのまま新NISAへ移すことはできず、続けたい場合は払出し後に買い直す形になります。

ジュニアNISAのお金を18歳前に引き出せますか?

引き出せます。2024年以降は年齢や理由を問わず、非課税のまま払出しが可能になりました。ただし一部だけの引き出しはできず、口座内の全商品を払い出したうえでジュニアNISA口座を廃止することが条件です。払い出すと残り期間の非課税メリットは失われるため、全額必要かどうかをよく考えてから手続きしましょう。

こどもNISAはいつから始まりますか?

2027年1月開始です。2025年末に閣議決定された税制改正で、NISA口座の年齢制限(18歳以上)が見直され、0〜17歳でも口座を開設できるようになります。一部の証券会社では口座開設の事前受付も始まっています。

こどもNISAとジュニアNISAの違いは何ですか?

大きな違いは3つです。①年間投資枠は60万円(ジュニアNISAは80万円)で、投資対象はつみたて投資枠対象の投資信託に限られます。②18歳になると大人のNISAへ自動移行し、非課税運用が切れ目なく続きます(ジュニアNISAは課税口座へ払出し)。③途中の払出しは条件付きで認められる見込みです。積立による長期の資産形成に特化した、ジュニアNISAの反省を活かした設計といえます。

子どもの教育資金は、こどもNISAと親のNISAのどちらで準備すべきですか?

まず親自身の新NISA枠を使うのが基本です。年360万円と枠が大きく、引き出しの制限もなく、使いみちも自由だからです。こどもNISAは払出しに条件が付く見込みのため、確実に使う時期が決まっている教育費よりも、「子ども自身の長期資産づくり」に向いています。親の枠を使い切るほど余裕がある場合や、贈与を兼ねて子ども名義で育てたい場合の追加の選択肢と考えるとバランスが取れます。

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