こどもNISAとは? — 30秒でおさらい

こどもNISAは、NISA口座の年齢制限(18歳以上)が撤廃されることで、2027年1月から0〜17歳の子どもでも使えるようになる非課税投資制度です。年間投資枠は60万円、18歳未満の間の非課税保有限度額は600万円。投資できるのは、大人のNISAの「つみたて投資枠」と同じ、金融庁の基準を満たした低コスト投資信託です。

最大の特長は、子どもが18歳になると手続きなしで大人のNISAへ自動的に移行し、非課税運用がそのまま続くことです。2023年末で終了したジュニアNISAは18歳で課税口座に払い出されて終わりでしたが、こどもNISAは0歳から大人まで非課税運用を切れ目なくつなげられます。制度の背景やジュニアNISAとの違いは、ジュニアNISAの記事でくわしく解説しています。

この記事では「で、実際にどう始めるの?」という実務に絞って、口座開設の流れを順番に見ていきます。

いつから始められる? — 事前受付は2026年10月スタート

制度の開始は2027年1月ですが、口座開設の申し込みはすでに始まっています。SBI証券と楽天証券は2026年10月1日から事前受付を開始し、他の証券会社も順次受付を始める見込みです。

「事前受付」という名のとおり、10月に申し込んでもすぐに非課税で買えるわけではありません。申し込み後、証券会社の審査で子ども名義の口座(未成年口座)が先に開設され、税務署の審査が終わるとこどもNISA口座が開設されます。非課税での積立買付ができるのは、制度が始まる2027年1月以降です。

それでも早めに申し込んでおく意味はあります。制度開始直後は申し込みが集中して開設までの待ち時間が延びがちなので、2027年1月から積立を始めたい家庭は、年内に事前受付を済ませておくとスムーズです。1月から枠を使い始めれば、その年の60万円枠をフルに活かせます。

ポイント事前受付=予約のようなもの。非課税の積立は2027年1月から始まります。1月スタートに間に合わせたいなら、書類(子どものマイナンバー関係)の準備と事前申し込みを年内に済ませておきましょう。

口座開設の流れ — 4ステップで完了

こどもNISAの口座開設は、おおまかに次の4ステップで進みます。ジュニアNISAと同様、未成年の口座は親権者が代理で手続きする形です。

多くのネット証券では、前提として親権者自身がその証券会社に口座を持っていることが必要です。親の口座がまだない場合は、先に親の口座開設から始めることになります(これ自体も無料・オンラインで完結します)。

必要書類の中心は「子どものマイナンバーを確認できる書類」です。子どもはマイナンバーカードを持っていないことも多いため、マイナンバー記載の住民票の写しを取得して、スマホで撮影してアップロードする方法が定番です。親子の続柄もこの住民票で同時に確認できます。細かい書類の組み合わせは金融機関によって異なるので、申し込み画面の案内に従ってください。

こどもNISA開設の4ステップ
  • ① 親権者の証券口座を用意する: 多くの証券会社で、親権者がその会社に口座を持っていることが前提条件。なければ先に親の口座を開設する。
  • ② 子どもの書類を準備する: マイナンバー記載の住民票の写しなど、子どものマイナンバー確認書類+本人確認書類。親子の続柄が確認できるものを用意する。
  • ③ 事前受付から申し込む: 親権者が証券会社のサイトにログインし、こどもNISAの申込画面で情報入力+書類をアップロード(郵送対応の会社もある)。
  • ④ 審査完了を待つ: 証券会社の審査で未成年口座が開設され、税務署の審査完了後にこどもNISA口座が開設される。積立設定をして2027年1月から買付スタート。

金融機関はどこで開く? — 選び方は3つの軸

NISA口座は1人1金融機関なので(変更は年単位の手続きが必要)、子どもの口座をどこで開くかは最初に決めておきたいポイントです。選び方の軸は3つあります。

第一に、親と同じ金融機関にすること。前述のとおり親権者の口座が前提になっている会社が多く、管理のしやすさの面でも、親子で同じ証券会社にそろえるのが実務上もっともラクです。親がすでにネット証券で新NISAをやっているなら、同じ会社でこどもNISAを開くのが自然な選択になります。

第二に、投資信託の品揃えと積立のしやすさ。こどもNISAの対象はつみたて投資枠系の投資信託なので、低コストのインデックスファンドが一通りそろっていて、月100円や1,000円といった少額から積立設定できるネット証券が有利です。大手ネット証券なら品揃えに大きな差はありません。

第三に、付帯サービス。ポイント還元や口座開設キャンペーンは各社で違いがありますが、これは「決め手が他にないときの最後のひと押し」程度に考えるのがおすすめです。何十年と使う口座なので、目先のキャンペーンより使いやすさと品揃えで選びましょう。

なお、銀行でもこどもNISAを扱う見込みですが、取扱商品数は証券会社より少なくなりがちです。店頭で相談したい事情がなければ、ネット証券が第一候補になります。

何を買えばいい? — 基本は低コストのインデックスファンド1本

口座を開いたら、次は「何を積み立てるか」です。こどもNISAで買えるのは、金融庁の基準(低コスト・長期積立向き)をクリアした投資信託に限られるため、そもそも大きな失敗がしにくい品揃えになっています。その中での定番は、全世界株式型(いわゆるオルカン)や米国株式型(S&P500連動)のインデックスファンドです。

子どもの口座は、運用期間が10年、20年と長く取れるのが最大の強みです。期間が長いほど複利の効果が効き、短期的な暴落も回復を待ちやすくなります。だからこそ、値動きのある株式インデックスファンドをコツコツ積み立てる王道のやり方が、大人以上にフィットします。

金額は無理のない範囲で構いません。年間枠の60万円は月5万円に相当しますが、使い切る必要はまったくなく、月5,000円や1万円からでも十分に意味があります。児童手当をそのまま積立に回す、という家庭も多い使い方です。

インデックスファンドの仕組みやオルカンとS&P500の選び方は、インデックス投資の記事と投資信託の記事でくわしく解説しています。

月1万円を18年積み立てると月1万円を0歳から18歳まで(元本216万円)、仮に年5%で運用できた場合、約350万円になる計算です(税金・手数料は考慮せず、利回りを一定と仮定した概算)。こどもNISAならこの値上がり分に税金がかからず、18歳以降も大人のNISAで非課税運用を続けられます。

開設前に知っておきたい注意点

最後に、申し込む前に押さえておきたい注意点を3つまとめます。

①入金は実質「贈与」になる——子ども名義の口座に親がお金を入れると、税務上は親から子への贈与です。贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、こどもNISAの年間枠60万円の範囲なら通常は心配いりませんが、祖父母からの贈与など他の贈与と合算して110万円を超える年は注意してください。

②途中の払出しには条件が付く見込み——こどもNISAは長期の資産形成を目的とした制度のため、ジュニアNISA(2024年以降は全額払出しなら自由)と違って、途中の引き出しには年齢や使いみちに応じたルールが設けられる方向です。報道では12歳以降は教育費などの目的で認められるとされていますが、細則は金融機関の案内で必ず確認してください。確実に使う時期が決まっている教育資金は、引き出し自由な親の新NISA枠で準備するほうが安全です。

③名義は子ども、判断は親——口座の名義人は子どもで、運用で得た資産は子どものものです。高校生くらいになったら、積立の状況を一緒に見ながらお金の教育の教材にする——こどもNISAにはそんな使い方の価値もあります。

教育費のメイン口座にはしないこどもNISAは途中払出しに条件が付く見込みです。大学の入学金のように「使う時期が確定しているお金」は、いつでも引き出せる親の新NISAや預金で準備し、こどもNISAは18歳以降へつなぐ長期資産づくりに使う、という役割分担が安全です。

まとめ

こどもNISAは2027年1月開始、口座開設の事前受付は2026年10月から大手ネット証券で始まっています。開設の流れは「親の口座を用意→子どものマイナンバー書類を準備→事前受付で申し込み→審査完了を待つ」の4ステップ。1月から積立を始めたいなら、年内の申し込みがおすすめです。

買うものは低コストのインデックスファンドを軸に、金額は月数千円からでOK。入金は贈与にあたるため年110万円の基礎控除を頭に入れつつ、確実に使う教育費は親の枠で、こどもNISAは長期の資産づくりで、と役割を分けるのが基本形です。

親自身のNISAをまだ始めていない場合は、新NISAの記事から先にどうぞ。親の口座が、こどもNISA開設の入り口にもなります。

よくある質問

こどもNISAの口座はいつから開設できますか?

SBI証券と楽天証券では2026年10月1日から事前受付が始まっており、他の金融機関も順次受付を開始する見込みです。ただし事前受付は予約のようなもので、証券会社と税務署の審査を経て口座が開設され、非課税での積立買付ができるのは制度が始まる2027年1月以降です。

こどもNISAの口座開設に必要な書類は何ですか?

中心になるのは子どものマイナンバーを確認できる書類で、マイナンバー記載の住民票の写しを使うのが定番です(親子の続柄もあわせて確認できます)。加えて子どもの本人確認書類が必要です。また多くのネット証券では、親権者がその証券会社に口座を持っていることが前提条件になっています。細かい組み合わせは金融機関ごとに異なるため、申込画面の案内に従ってください。

こどもNISAはどの金融機関で開くのがいいですか?

親と同じ金融機関にするのが基本です。親権者の口座が開設の前提になっている会社が多く、管理もしやすいためです。そのうえで、低コストのインデックスファンドの品揃えが豊富で少額から積立できる大手ネット証券が有力候補になります。NISA口座は1人1金融機関で、変更には年単位の手続きが必要な点にも注意しましょう。

こどもNISAでは何を買えばいいですか?

対象商品が金融庁の基準を満たした低コスト投資信託に限られているため、全世界株式型(オルカン)やS&P500連動型のインデックスファンドを1本選んで積み立てるのが王道です。子どもの口座は運用期間を10年以上取れるため、株式インデックスの長期積立との相性がとくに良いといえます。金額は月数千円からでも十分です。

こどもNISAへの入金に贈与税はかかりますか?

子ども名義の口座への入金は税務上、親(や祖父母)から子への贈与にあたります。ただし贈与税には年間110万円の基礎控除があり、こどもNISAの年間投資枠は60万円なので、通常は贈与税はかかりません。他の贈与と合算して年110万円を超える場合は課税対象になるため注意してください。

こどもNISAのお金は途中で引き出せますか?

長期の資産形成を目的とした制度のため、途中の払出しには年齢や使いみちに応じた条件が設けられる見込みです。報道では12歳以降は教育費などの目的で認められる方向とされていますが、細かいルールは金融機関の最新の案内で確認してください。使う時期が決まっている教育費は、引き出しの自由な親の新NISA枠や預金で準備するのが安全です。

あわせて読みたい

「きほんを学ぶ」の他の記事

記事一覧では全61本をカテゴリ別に並べています。