株で儲かる確率は何%? — 答えは「やり方しだい」

「株で儲かる確率は?」という疑問に、ひとつの数字で答えることはできません。同じ「株」でも、明日上がるか下がるかに賭けるのか、20年かけて世界中の株にコツコツ積み立てるのかで、勝率はまったく別物になるからです。

たとえるなら「サイコロで勝つ確率は?」と聞くようなものです。1回振って6が出る確率と、何百回も振ったときの平均の目がだいたい3.5に落ち着く確率では、意味がまったく違います。株も同じで、短期の1回勝負は運の要素が大きく、長期でたくさんの会社にまとめて投資するほど、結果は「経済全体の成長」という平均値に近づいていきます。

そこでこの記事では、確率を左右する3つの条件——①保有期間、②分散、③コスト——ごとに、株の勝率がどう変わるのかを見ていきます。

条件①保有期間 — 1日単位なら五分五分、長く持つほど安定する

まず短期から。株価の日々の値動きは、上がる日と下がる日がおおむね半々に近く、明日上がるか下がるかを当てるのは、プロでも難しいとされています。短期売買の勝率が「丁半ばくち」に近いと言われるのはこのためです。売買のたびに手数料や税金もかかるので、短期売買を繰り返すほど、トータルの勝率はむしろ下がりがちです。

一方、期間を長くすると景色が変わります。金融庁が公表しているデータ(2017年の資料)では、1985年以降の各年から、国内外の株式と債券に毎月同じ金額ずつ積立投資した場合の成績を、保有期間別に比べています。保有期間5年では元本割れするケースがあったのに対し、保有期間20年では運用成果が年率2〜8%の範囲に収まり、元本割れしたケースは一度もありませんでした。

なぜ期間が効くのでしょうか。株価の短期の上下は、ニュースや人々の気分で動く「ノイズ」です。一方、長期の株価は企業が生み出す利益の成長に引っ張られます。期間が長くなるほど、ノイズの影響が薄まり、経済の成長という土台が結果を左右するようになる——これが、長期投資が「確率を味方につける方法」と呼ばれる理由です。

保有期間と結果のばらつき(金融庁データのイメージ)
保有期間結果の傾向元本割れ
1日〜数日上がる日と下がる日がほぼ半々に近い頻繁に起こる
5年(積立・分散)プラスが多いが、ばらつきは大きいあった
20年(積立・分散)年率2〜8%の範囲に収まった一度もなかった
過去のデータは未来の保証ではない金融庁のデータは過去の実績で、将来も同じ結果になる保証はありません。「20年持てば絶対に元本割れしない」ではなく、「過去には長く分散して持つほど結果が安定してきた」と理解してください。

条件②分散 — 1社に賭けるか、市場全体を持つか

2つ目の条件は分散です。先ほどの金融庁のデータは、国内外の株式と債券に「まとめて」投資した場合の結果でした。個別株1銘柄だけに投資した場合は、まったく話が違います。

個別の会社は、業績悪化や不祥事、ときには倒産で株価が大きく下がり、二度と戻らないこともあります。どんなに長く持っていても、選んだ1社が衰退すれば損失は取り戻せません。個別株の勝率は「その会社しだい」で、一般論として何%とは言えないのです。

反対に、インデックスファンドのように数百〜数千社にまとめて投資すれば、1社の失敗は全体のごく一部にすぎず、結果は「市場全体の成長」に近づきます。分散は、運の要素を薄めて確率を安定させるための、いちばん確実な道具です。個別株を楽しみたい場合も、資産の土台は分散の効いたインデックスで持ち、個別株は一部にとどめる、という組み合わせが現実的です。

条件③コスト — 手数料は「確実に負ける」部分

3つ目の条件はコストです。投資のリターンは不確実ですが、手数料は確実に差し引かれます。だからコストは、勝率を確実に下げる要因です。

たとえば投資信託の信託報酬が年1.5%なら、市場が年5%成長しても、手元に残るのは約3.5%。年0.1%のファンドなら約4.9%です。この差は20年、30年と複利で積み重なると大きな金額になります。売買のたびにかかる手数料や、利益にかかる約20%の税金も同じで、頻繁な売買はそれだけで不利になります。

つまり確率を味方につける基本形は、「長く・広く・安く」です。低コストのインデックスファンドを、NISAの非課税口座で、長期間積み立てる——日本の個人投資家に一般的にすすめられる方法は、この3条件をまとめて満たすやり方だと言えます。

確率を味方につける3条件①長く持つ(短期のノイズを薄める)、②広く分散する(1社の失敗に左右されない)、③コストを抑える(確実に減る部分を小さくする)。この3つを満たすほど、結果は経済全体の成長に近づいていきます。

宝くじ・ギャンブルとの決定的な違い

「株もギャンブルでしょ?」と言われることがありますが、仕組みには決定的な違いがあります。

宝くじや公営競技は、集めたお金の一部を胴元が差し引いてから払い戻す仕組みです。たとえば宝くじは、当せん金の総額が発売額の5割を超えてはならないと法律で決められています。参加者全体で見れば、買った瞬間に平均して半分以上を失うことが確定しているゲームです。

株式市場はそうではありません。株は会社の持ち分なので、会社が利益を生み、成長すれば、参加者全体の資産が増えていきます。だれかの損がそのままだれかの得になる、というゼロサムのゲームではないのです(この仕組みは株価が上がる・下がる理由の記事でくわしく解説しています)。参加者全体の期待値がプラスになりうる——これが、株式投資とギャンブルのいちばん大きな違いです。

ただし、短期売買だけを見ると話は変わります。短い期間では会社の成長はほとんど進まないので、短期売買は「誰が安く買って高く売れたか」の取り合いに近づき、手数料のぶんだけ参加者全体の成績は下がります。株を「ギャンブルにする」か「資産形成にする」かは、商品ではなく使い方で決まる、ということです。

まとめ — 「何%儲かるか」より「勝率を上げる方法」を

株で儲かる確率は、やり方によって大きく変わります。1日単位では丁半ばくちに近く、個別株1銘柄の勝率は会社しだい。一方、金融庁のデータでは、国内外の株と債券に毎月積み立てて20年持った場合、過去に元本割れは一度もありませんでした(将来を保証するものではありません)。

確率を味方につける条件は、長く・広く・安く。具体的には、低コストのインデックスファンドを新NISAで長期積立するのが、初心者にとっていちばん再現性の高い方法です。積立の仕組みはインデックス投資の記事、複利の効果は複利の記事で、数字を使って確かめられます。

よくある質問

株で儲かる確率は何%ですか?

ひとつの数字では答えられません。短期売買では株価の上げ下げがほぼ半々に近く、勝率は運に左右されます。一方、金融庁が公表したデータでは、1985年以降の各年に国内外の株式・債券へ毎月積立投資した場合、保有期間20年では年率2〜8%の範囲に収まり、元本割れしたケースは一度もありませんでした。期間・分散・コストの条件で勝率は大きく変わります(過去の実績で将来を保証するものではありません)。

投資で元本割れする確率はどのくらいですか?

保有期間と分散の度合いで大きく変わります。金融庁のデータでは、国内外の株式・債券への積立分散投資の場合、保有期間5年では元本割れのケースがありましたが、20年では一度もありませんでした。個別株1銘柄の場合は、企業の業績しだいで長く持っても元本割れが続くことがあり、確率を一般論で示すことはできません。

株はギャンブルと同じですか?

仕組みが違います。宝くじは当せん金の総額が発売額の5割以下と法律で決められており、参加者全体では必ず損をするゲームです。株は会社の持ち分で、会社が利益を生んで成長すれば参加者全体の資産が増えるため、ゼロサムではありません。ただし短期売買を繰り返すと、会社の成長の恩恵を受けにくく、手数料のぶん不利になるため、ギャンブルに近い性質を帯びます。

株で負けないためにはどうすればいいですか?

「絶対に負けない方法」はありませんが、勝率を上げる条件ははっきりしています。①長く持つ(短期の値動きのノイズを薄める)、②広く分散する(1社の失敗に左右されない)、③コストを抑える(手数料は確実に減る部分)の3つです。具体的には、低コストのインデックスファンドをNISAで長期積立する方法が、初心者にとって再現性の高いやり方です。

個別株で儲かる確率は?

一般論として何%とは言えません。個別株の結果はその会社の業績・成長・不祥事などに左右され、長く持っても回復しないケースもあります。個別株の勝率を上げたい場合も、資産の土台は分散の効いたインデックスファンドで持ち、個別株は一部にとどめる組み合わせが現実的です。

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